セキララな思考。

いらっしゃい!感じたままをセキララに書いています。

『ザ・コンサルタント』

f:id:Yasui-Bun:20170221161220j:plain

 

2017.2.17(金)MOVIX周南で鑑賞。

無垢なるダークヒーロー誕生?
これはぜひシリーズ化してほしい!!!

以下、ネタバレを含みます。

 

 

映画館で予告を見た時から、妙に気になっていたのです。
やたらと儀式的な行動をする主人公が。

ウキウキしながら映画館へ足を運びました。
クライムサスペンスなのにウキウキって不謹慎だろうか^^;

な、なんと。
ベン・アフレック演じる主人公、クリスチャン・ウルフは、鈴木一郎でした!

と言っても知らない人には意味不明^^;
鈴木一郎は日本映画『能男』で生田斗真さんが演じた主人公です。

鈴木は自閉症
自らの意志で立ったり座ったりすることさえ出来ない重度の自閉症だったのです。
現実的にそのような自閉症が完治するものなのかはわかりませんが。

原作ではそのあたりの同義付と本人の進化が面白くて、かなりスプラッターホラーよりではありますが、夢中になって読みました。
実写映画で鈴木一郎を演じた生田斗真さんのキャラクター造形にも唸りましたしねえ。
映画そのものは...^^;

彼は実の祖父からもくろみを達成させるために厳しい訓練を受け、最強の暗殺者となった。
世の中の悪人を消し続けないと、自分は元の何もできない生き物に戻ってしまうという恐怖から、秘密裏に極悪人を処刑し続けています。(原作が未完なのでこのように書いておきます。)

そして、こちらの映画の主人公、クリスチャン・ウルフも自閉症だったんです。

もっとも、ウルフの場合は高機能自閉症と言って、鈴木に比べると自我があり、脳の癖さえ自分で制御できれば普通の社会生活にも溶け込めるのですが、それでもやはり、自閉症特有の問題を抱えています。

そして、それを克服させるためだったのか、あるいは、鈴木の祖父と同じような思惑からか(後者な気がするんですが)、軍人である父親から最強の暗殺者となるために必要なあらゆる訓練をうけるのです。
その仕上げとして、裏社会の会計士だった男から、全てを伝授され表向きは有能な会計士、しかし裏では、裏社会の会計士として悪人に近寄り、粛々と始末しているのです。

ただ、なぜ父親がウルフをそういう風に育てたのか、なぜ闇の会計士のもとへ送り込まれたのかといった細かい部分については、映画の中で説明がありません。
これはもしかして、シリーズ化へのちょっとした布石なのかしらん...と勝手に深読み中^^;

どちらのキャラクターにも共通なのは、とびぬけて記憶力がよく、数字に強いということ。
鈴木はあっという間に数々の専門書を読み説き暗記していくさまが登場しますし、ウルフは会計士としてその才能を使っています。

そんなこんなで、私が見知っている架空世界の中の“生身の”最強ダークヒーローは鈴木一郎だったんですが、クリスチャン・ウルフも捨てがたいなあと今思っています。

『能男』の発想はすごく面白いなと思ったんですが、荒唐無稽すぎる。
鈴木は、祖父亡き後、彼の残した莫大な遺産を元手に、祖父が抹殺したいと願った悪人を始末した後も、孤独な戦いを続けます。
原作続編では、暗躍しすぎてほとんど物語の表面に出てこなくなりますし、協力者がいないので物語が単調になってしまう。
たぶん、原作者の描きたいところはそこじゃないんでしょう。
鈴木は物語を面白くするための装置なのかもしれません。
鈴木というキャラクターそのものが大変魅力的なのに、もったいないなあと思ったんですよね。

ところが、こちらの映画では、とにかく、クリスチャン・ウルフの持つ“特性”と“癖”を掘り下げます。
そこは細部に至るまで徹底されていて、最後までぶれることがない。
時折はさまれるウルフの子供時代の思い出、そこにさえ伏線が貼ってあり、最後に回収されます。

なによりウルフには、彼を信頼し協力してくれるパートナーがいるし、真逆の立場で、彼を追いつつも容認する人たちも登場する。
彼は孤独ですが、一人ではないのです。

そのあたりが、鈴木と大きく違うところで、やはりアメリカのほうが作品の作り方がうまいなあと、やられたなあと思った部分です。

主人公を取り巻く人物、パートナーはもちろん、敵対しつつ彼を認めているレギュラーメンバーがいることで、物語はいくらでも創造できそうですもん。

私はラストで妙にすがすがしくなってしまいました。

こんな着眼点で作品を語っている人はおそらくいないだろうなあ~^^;

あと商務省のほうから、彼を探っていくというのも面白いです。
此ちら側には正義の立場ですが、それを貫くために悪に手を染めざるを得なかった人物が登場します。
世の中の悪を排除する窓口となるわけですが、彼を排除するのではなく、うまく利用するという設定が一筋縄ではいかない世界を感じさせます。

この作品で、ウルフが最終的に始末した人物も、表向きには正義の人に見えるのですが、それを全うするために悪に染まってしまいました。

そんなグレーな人たちの中で、ウルフだけが無垢でまっすぐな人間に見えたんですよね~。


正直、ベン・アフレックは好きなタイプの役者ではありません。
典型的なアメリカ人俳優という感じで、アクションはすごいけど、演技がちょっとなあと思ってました^^;
でも!!この作品の彼は大変魅力的ではまり役だなと思います。
クリスチャン・ウルフのさらなる活躍をぜひ見たいなあと切望しています。

もしかしたら、DVD買っちゃうかもなあ~と気の早いことを言ってみたり^^;

 

映画『ザ・コンサルタント』オフィシャルサイト



=======================

ザ・コンサルタント

原題:The Accountant
製作国/製作年:アメリカ/2016年
時間:131分
映倫区分:G
制作:マーク・ウィリアムズ、リネット・ハウエル・テイラー
製作総指揮:ジェイミー・パトリコフ、マーティ・P・ユーイング
脚本:ビル・ドゥビューク、
監督:ギャビン・オコナー
出演:ベン・アフレックアナ・ケンドリックJ・K・シモンズジョン・バーンサルジョン・リスゴー/他

=======================

http://www.no-otoko.com/